小児がんと向きあう方々とともに…
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小児がん経験者の視点から見る今後…その2
2012年05月09日 (水) | 編集 |

どもども、しろ~時々シロップです。

GWは良いことも悪いこともさまざまニュースで飛び交っていましたが、
みなさまはいかがお過ごしになりましたか?

九州北部は25度を超える陽気になって、暦でいう立夏を超えて日差しの強さを肌身で感じます。
連休明けから仕事場の作業着も夏服になりました。

前回のテーマの続きをと思ったのですが、先に書きたいことがありまして。


今回取り上げるテーマは…

成長著しい情報化社会と小児がんのこどもたちと医療のあり方


です。

テーマが難しいと思わないでくださいね。


私も利用しているスマートフォンやPCはとても便利ですね。

キーワードを入力して、検索をすればその場で知りたい情報がすぐ手に入ります。


私は現在C型肝炎の治療中ですので、毎日治療薬を服用しています。

試しに、自分の飲んでいる薬を検索してみます。

すると、薬局でいただく処方薬の能書には書かれていないような

薬の主な作用

薬の主な副作用

薬価

どのような病気の治療に用いられているか…

などなど

事細かな情報を手に入れることができます。


薬局の提供する書面の情報量がいかに少ないかがよくわかります。

同じように、

病院の中で医療者が使っている医療用語も、隠語も、

その気になれば2、3分で調べられます。



2年ほど前のことでしたが、とある研究会でこんな発表にて、

10歳程度の血液がんを患ったこどもさんのことが演題にあがりました。


医療者側は家族の同意のもとその子には、病名をウソを言わないで正しく告知した。

告知を受けた子どもさんは、“自分はがんなの?”とストレートに聞き返してきた。

そこで医療者は、その子に余計な心配をしてほしくないと思ったので、

(本当はがんなのに…) がんじゃないよっと伝えた。


後日、その子は自分の病名をPCで検索した。

そこには、はっきりと自分の病気の説明のなかに“がん”という文言が

記載されていました。

「やっぱり、自分はがんだったんだ…」

それから、その子は一気に医療者や家族の言葉に不信を抱くようになり…。

大人たちは信頼を取り戻し、安心して治療を受けてくれるまでのプロセスに

大変な時間と苦労を費やすことになってしまった…

というとても印象に残った事例でした。


いま、がん治療を実施している大きな医療機関は、

公益財団法人 日本医療機能評価機構※詳しくはリンク先を御覧ください。

の示す指針に基づいて、

医療の質の向上と信頼できる医療の確保を目指して取り組んでいるのですが、

自分の病気の治療方法、

検査結果の内容などの情報の公開

守秘義務や個人情報の保護

医療者と患者のパートナーシップ


など、病院の運営のさまざまなハードとソフトの改革に迫られています。


みなさんが病院に行くと、待合室などの壁に

「当医院では患者の皆様に安心して治療に取り組んでいただくために云々…」という

ことが書かれてるの見たことありませんか?

そう、それです。

病院機能評価を意識して書かれていて、

医療者も新たに設けられた様々な取り決めに、

いろいろと苦労しているのだな…と感じるわけです。



その中で、私が懸念しているのは、小児がんの子どもたちが、

先ほどの事例のように、自分がされている治療や、使っている薬の情報、

自分の目の前で飛び交う医療者たちの言葉や、

自分と同じ治療をしている他の告知をされている子どもたちからの

情報を手に入れた時…


ニンテンドウDSやPSPを大人以上にサクサク扱える子どもたちにとって、

大人の私たちが想像している以上に、この数年で著しく自分の病気のことを

調べたり、知るきっかけが増えているのではと心配しています。


“それほど心配しなくてよいのでは?”とのご意見もありますが、

原発事故の例をあげてみましょう…。

一部の意見者や専門家たちが訴えていた万が一のリスクを

“大丈夫、安全だ”といって説き伏せて、運転を続けた原発が事故を起こし、

こぞって飛び交ったのは“想定外でした”だったでしょう?



私は6歳で“急性リンパ性白血病”だと告知を受けていましたが、

まわりの告知をうけていない子達から“しろ~くんの病気はなに?”

って聞かれるたびに、自分の病気の事実を知っているけど、

真実をけっして言ってはいけないので、

なんとウソついて答えるべきなのかその都度真剣に悩みました。


つい、2、3年前まで、私たち、小児がん経験者たちの集まる会合で

話題の中心になっていたのは子どもたちに病気を正しく告知するか、否かという

議論が大きな課題になることがしばしばでしたが…


もはや、告知をする、しないという議論をしている場合ではない

…そんな時代に突入してしまったのでは?

きっとこれから先、どこの病院でも先ほどの事例の子のようなことが

起こってもおかしくないんじゃないか…と懸念しています。




PS

雑な記事になったと思ったのですが、

私が伝えたいことが伝わりましたでしょうか?


それでは、また。



追記

コメント欄で、ご質問がありましたので、
こちらにご説明を付け加えさせていただきますね。


私は6歳で“急性リンパ性白血病”だと告知を受けていましたが、
まわりの告知をうけていない子達から“しろ~くんの病気はなに?”
って聞かれるたびに、自分の病気の事実を知っているけど、
真実をけっして言ってはいけないので、なんとウソついて答えるべきなのかその都度真剣に悩みました。

…のくだりのところですよね?

私の両親は告知に強く反対でした。
でも、兄(当時20歳)がその両親を説き伏せたのです。
3年も辛くて痛くて大変な治療をしないといけないのに、
真実を伏せて治療をしてもしろ~が耐えられないと…。

兄が告知をしてくれたおかげで、
私は自分の病気がちゃんと治療して治さないと死ぬ!
という言葉を告知の中でストレートに聞きました。

白血病=治さないと死ぬ

6歳の私が受け止めた言葉でした。

そして、病棟では私と同じように髪の毛が無くなり、
高熱を出し、鼻血でシーツを血まみれにして、
同じ点滴をして、同じ検査をしているこどもがたくさんいましたが、
その子たちのほとんどが自分の病気がなんなのか知りませんでした。

私がだれかからしろ~くんは病気なに?って聞かれたときは、
私は黙って答えなかったり、テキトーなことを言ってはぐらかしていたのですが、

ある日、他の患者やお母さんたち、そして私の母のいる大部屋で遊び相手の実習中の医学生に聞かれたんです。
「しろ~くんの病気はなに?」って。

その頃は、医学生と医者の区別が幼い私にはわからなかったんですよ。
ドクターも、学生も形はちがえど白衣を着てましたから。
主治医のドクターよりまだ若いだけで、同じ医者だとしか思ってませんでした。

私はいまでもはっきり覚えてますがその瞬間にイラッとしながらこう思ったのです。

「なんでこんなところで聞いちゃうの?」
        &
「医者のくせに、なんでおれの病気のことを聞いてくるんだ?」って。

聞かれた意図がわからなかったんです。
でも、その頃から先生や看護師さんには協力できることはしたいとすでに思っていたので、
言いたくなかったけど素直に答えたんです。

廻りに聞こえないように耳元で「…白血病」と。

でも、廻りのこどもたちの声がさわがしくて聞こえなかったのか
その学生は「え?もう一度!」と聞きなおしてきたんです。

さらにイラッときて、
ついついデカイ声で怒りながら、「白血病!!」とハッキリ言っちゃたんです。

一瞬にして、廻りの空気が凍りつきました。

廻りの母親は目が点。
廻りのこどもたちは???
うちの母はマジギレ。

学生は、その空気を感じてそそくさと部屋から退散。

のちほど、母からこっぴどく怒られました。
誰にも言うなってあれほど言ってるのになんで言うの!って。

「だって…」

でも、学生に言ったことが悪いのではなくて、
大声で言ってしまったことが悪かったということと、
廻りのこどもたちが自分の母親たちに
「ね、白血病ってなに?」って聞いていて、お母さんたちが迷惑そうに
こちらをジロ見しながら、こどもにテキトーな言葉ではぐらかしているのをみて、
私は自分のやってしまったこと…の事の大きさに気づいたんです。

それからは退院するまで、白血病という言葉をけっして病棟の中では口にしませんでした。
でも、仲間が亡くなったときに、母に聞いてました。
「あの子の病気はなに?」

母は、ウソはつきませんでした。
違う病気でも、私と同じ白血病であっても。
だから、自分の病気が治らないと死ぬという現実を私は常に肌身で感じていました。

自分が感じている不安で恐ろしい気持ちを他の子は
知らないほうがいいのかも…。
そう思っていました。

当時の病棟は、小児がんの子どもたちばかりといっていいほど、
専門病棟的なところでしたし、現在のように
治るようになった時代。ではなく、
多くの子が助からない時代…。でした。
ほんとに、過言ではなく、次から次へと入院してきた仲間たちが亡くなる時代でしたので。

この事件の前は、ただ 言ってはいけないこと。
理由はいまいちよくわからんが…。

事件後は、
どうして言ってはダメなのかをようやく肌身で感じたから、
絶対言わない。


という心境の変化の違いがありました。


こんな説明でわかりましたか?

もっと詳しく背景をお知りになりたければ、ぜひ、
当ブログのカテゴリー“闘病の記憶”↓をご参照ください。
http://kurumesmiledays2525.blog107.fc2.com/blog-category-13.html

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コメント
この記事へのコメント
よく伝わりました!
いつも読ませて頂いています!親としてはとても気になる、ためになる、経験者ならでわの貴重なお話…!このシリーズ、続けてくださいネ!

我が家は今小5の娘。再発後二年前に骨髄移植をしています。本人へ告知はしていますが、お友達へのカミングアウトはまだです。今後、思春期にかけて、身体的な差は明らかになりますから(低身長など)、本人がどう受けとめていくのか…心配なところです。

しろーさんは、なぜ〔本当のことをいってはいけない〕と思っていたのですか?ご自分の判断?それとも親御さんの?

よかったら、教えて下さい。お身体の具合はいかがですか?ご無理なさらないで下さいね!
2012/05/18(金) 06:38:17 | URL | ひろこ #-[ 編集]
ひろこさんへ
どもども、しろ~時々シロップです。

ひろこさんへ
コメント&いつも読んでいただきありがとうございます。

私は6歳で“急性リンパ性白血病”だと告知を受けていましたが、
まわりの告知をうけていない子達から“しろ~くんの病気はなに?”
って聞かれるたびに、自分の病気の事実を知っているけど、
真実をけっして言ってはいけないので、なんとウソついて答えるべきなのかその都度真剣に悩みました。

…のくだりのところですよね?
この記事の中に、追記させていただきますので、
改めてご覧いただければ幸いです。

今後とも、当ブログをよろしくお願いしますv-410
2012/05/19(土) 00:10:29 | URL | しろ~時々シロップ #SFo5/nok[ 編集]
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